パラボラ

 うへぇ。今日はバイト先の塾で担当している生徒が九大を受けることが決まり、授業用のプリントを作ったので、そのプリントの中からオリジナル問題を紹介します。

xy平面上に点F(0,1)と直線l:y=-1がある。点Pが点Fとの距離が直線lとの距離と等しくなるように動き、その軌跡をC:y=f(x)とする。以下の問いに答えよ。
(1) f(x)を求めよ。
(2) y=f(x)上の点A(t,f(t))における法線mをtを用いて表せ。
(3) 点Fの(2)の直線mについて対称な点をBとしたとき、直線ABの方程式を求めよ。


 (1)はまんま放物線の定義です。焦点F(0,p)と準線l:y=-pの放物線は4py=x^2と洗わせることを知っていれば、一瞬で答えが分かるようなものです。


 ところで、放物線を英語でなんというか知ってますか?放物線は英語でParabolaといいます。パラボラアンテナのパラボラです。原理は電磁波が放物線の軸に平行に入射し、曲面で鏡面反射したとすると、その電磁波はかならず焦点を通るというものです。この問題は実はその証明になっています。


 (3)の答えはx=tです。(2)で法線を求め、(3)でFのmについての対称点を求めると、直線ABにそって、つまり軸と平行に放物線に入射した電磁波は、直線AFに沿って反射しFを通ります。逆にFから発せられた電磁波は全て軸と平行に放射されます。


 塾の生徒にこの問題を宿題として出し、この種明かしをしたら、感動していました。ちょっとした問題、簡単に解ける問題でも、実際にどう応用されているかが分かれば、楽しいものなのです。今年はどんな入試問題が出るのか楽しみです。


 今週の宿題としては次のような問題を出しました。

n個の玉がある。一回に1個または2個ずつ取り除いていき、玉がなくなったとき終了する。この玉の取り除き方の場合の数を{a_n}として以下の問いに答えよ。
(1) a_1, a_2を求めよ。
(2) a_{n+2}をa_{n+1}, a_nを用いて表せ。
(3) {a_{n+1}-αa_n}が公比βの等比数列になるとき、αとβの組を全て求めよ。
(4) {a_n}の一般項を求めよ。

 生徒が文系なので、三項間漸化式を解くのに誘導つけました。これにもちょっとした背景があることはまた来週に。