Fluor - 回路

うへぇ。
今日はFluorで使った回路の紹介。Fluorがどんな作品かわからない人は過去日記へ。
Fluor - 昼下がりの数式


回路設計の仕様として必要な事項として挙げられているのは、
1、スイッチのON/OFFをArduinoで受信できること
2、スイッチと同時にLEDがゆっくり光って、ゆっくり消えること
の二つです。

とりあえず、順番に作っていきましょう。まず、スイッチ部分。今回の使用ではスイッチがONのときArduinoにONがくるという仕様。次のような回路を使いました

こうすると、スイッチがONのとき、Vccと短絡されてVoは5Vに、OFFのときは抵抗に電流が流れないのでGNDと同電位になり、Voは0Vになります。このVoをArduinoとLEDにつなぎます。


しかしながら、これではLEDがON/OFFと同時にパチッパチッと切り替わってしまいます。ゆっくり消えたり光ったりする回路を作るにはコンデンサを使い、積分回路を作ります。

これがどうなるのか計算しましょう。抵抗をR、静電容量をC、コンデンサに溜まった電荷をQ、流れる電流をiとします。

一行目:回路方程式を立てます。
二行目:電荷は電流を時間積分したものです。
三行目:両辺を時間微分します。Viは一定と考えます。
四行目:iについてときます。


 LEDの明るさは電流によるので、最後の式を見ればわかるとおり、CRが大きければ応答がゆっくりになり、CRが小さければ、応答が早くなります。ということで、CとRの値が大きいほうが応答がゆっくりな回路になります。しかしながら、Cの値は基本的にμFやpFのオーダーになるため、あまり大きくできず、仮に大きくすると、コンデンサの物理的な大きさが大きくなり、さらにコストも高くなります。一方、抵抗が大きくなると、抵抗での電流が小さくなり、LEDに不十分な電流量なってにしまいます。


 電流が不十分なら増幅してやればいいのです。電流の増幅、この場合は小さな電流で大きな電流を制御するのでトランジスタを使いました。トランジスタで増幅してやってLEDを光らせます。そうしてできた、回路の全体像がこちら。


単純なスイッチON/OFFの回路に比べると複雑ですが、部分部分を見ていくと、機能を持った一つの単位があり、それを組み合わせることが回路設計の基本だということがわかり、苦労はしましたが、十分いい効果を得ることができました。まさか、LEDをゆっくり光ったり消したりするのに、これほど頭を使うとは思っていませんでしたが、その分、いい作品になったと思うのでよかったです。今回の作品で電子工作にはまったので、また何か作りたいと考えています。